『リースバック』検討は注意が必要です。
日に日に秋から冬へ季節が巡る11月
今月のコラムは『リースバック検討には注意が必要』です。
『リースバック』とは自宅を売却と同時に賃貸借契約を締結し
売却資金を得るとともに、そのまま賃貸して自宅にすみ続けられるシステム。
退職したご年配の所有者が住宅ローン残債を精算するためや
まとまった資金調達が必要だったりで利用される方が多い『リースバック』ですが
色々とデメリットも多いようなので考察をまとめてみました。
ポイント1.『売却金額が相場より低くなる』
一般的なエンドユーザーとの売買契約と違ってリースバック事業者への売却なので
不動産業者の買取と売却のシステム自体は一緒ですね。
そうなると当然、売却金額は相場より安くなるのは必然です。
売却金額はリースバック事業者の査定によりますが
良くてエリア相場の80%、悪ければ50%前後の場合も考えられますね。
ただでさえ売却価格が低くなる上、住宅ローン残債が売却価格を上回ってしまうと
そもそもリースバックが利用できません。
また、住宅ローン残債を精算後、手元に残るお金はごくわずかなんてことも有りえます。
ポイント2.『所有の我が家から賃貸物件への変更となり、ずっとすみ続けられる保証はない』
リースバック事業者が買い取り、賃貸として住むことになりますので当然、毎月の賃料がかかります。
賃貸条件も貸主になるリースバック事業者が決めてるでしょうから相場より高かったりする場合もあるかも。
契約期間が一定年数で定められていたりして、ずっと住み続けられない可能性もありますし
契約更新時に更新料が発生したり、賃料値上げを要求されるようなことも考えられます。
我が家ではなく『借り物』になってしまうので色々と契約のルールも発生します。
勝手に模様替えや棚を付けたりなどの造作も出来なくなってしまいますし
持ち家時代の様に自分たちの思うように家を使えなくなります。
また住宅ローンとは違い、賃貸借契約が継続されてる間は家賃を支払い続けなければいけませんし
収入減などで賃料が払えなくなれば契約解除になり、退去しなければならなくなってしまいます。
長年、持ち家でお住まいだった方は賃貸借契約の経験が無い方も多く、都合よく考えられてる方もよく見かけますが
不動産売買契約も賃貸借契約もリスクは当然ありますので契約内容の確認は良くしてくださいね。
ポイント3.『親族とトラブルになる場合がある』
『お金の苦労』を子供や親族に知られたくない、迷惑をかけたくないと感じ
自宅を転居することもなく自宅を売却し資金を得られる『リースバック』を考える高齢者の方は多いと思います。
リースバックはもちろん不動産売却なので、所有者さんの一存で決められるわけです(共有名義は別ですが)
でも、配偶者や子供、孫など将来『相続人』となる方々に相談しないでリースバックした結果
『リースバック』だったことを知った相続人(または予定)はびっくりすること間違いなし!
リースバックした不動産を買い戻すには、売却時の価格では出来ず、更に高額になるので資金調達が難しいし
売却時の契約によっては買い戻し不可の特約が付帯している場合もあります。
『なんで先に相談してくれなかったんだ!』と親族間でトラブルになることも十分考えられます。
『親族に迷惑をかけたくない』と思って行ったリースバックが逆にトラブルを産んでしまう。。。
あまりに悲しすぎます。。。
まとめ
『売却で資金が調達でき、自宅にすみ続けられる』・『固定資産税などの税金や維持費がかからなくなる』
などのメリットもありますが大きなデメリットも色々ある『リースバック』
国民生活センターでも『リースバックは慎重に』と注意喚起されています。
まずはご家族とよく相談したほうが良いですね。
資金の援助や同居するなどして、ローン残債をやりくりすることも可能かもしれません。
また信頼できる不動産屋に相談することも一つの手段ですね。
売買契約から引き渡しまでの期間を少し長く猶予してもらって賃貸物件を探したり
自社買い取りや付き合いの深い買取業者になるべく高値で買い取ってもらう交渉をしたり
やれることは色々あると思います。
もちろん私、Room's Barの濱口までご相談も大歓迎です。
一緒に色々考えていきましょう。
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